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前書き
いわゆるEメールガバナンス(Email Governance)の観点から、メール送信に承認プロセスを組み込みたい(つまり、メール送信アクションを実行するとマネージャに確認が飛び、そのマネージャの承認によって初めてメールが送信されるようにしたい)という要件が出ることがあるかと思います。
しかしながら、Marketing Cloudと違いSalesforceやPardotでは「メール送信の承認プロセス」は標準機能として提供されていません。
それではどのようにして「メール送信の承認プロセス」の要件に対応すればよいのか、についてこの記事では考えてみたいと思います。
結論
Salesforceから送信する場合
- (メールtoCaseの場合)「メールドラフト承認プロセス」を利用する
- メールリレーを利用してサードパーティーの承認用アプリケーション経由でメールが送信されるようにする
- Salesforceからメール送信しない運用に統一する
Pardotから送信する場合
- Pardotリストメールのドラフト機能を利用する
- PardotAPIを利用して全てのメール送信がサードパーティーの承認用アプリケーション経由で行われるようにする
あり得る実装方法を列挙すると、こういう感じかなと思っています(もっとよい案あればご連絡ください)
一つずつ簡単に見ていきます。
メールドラフト承認プロセス
ケースのレコードページ上からメールを送信する場合、「メールドラフト承認プロセス」機能を利用できます。ヘルプ記事ではClassicでのみ利用可能と記載されていますが、Lightningでも全く問題なく動作します。
有効化すると、下記画像のように「メール送信」ボタンが「承認申請」ボタンに自動で切り替わり、ボタンを押すと承認申請が自動で上がるようになります。
↓
メールリレーを利用してサードパーティーの承認用アプリケーション経由でメールが送信されるようにする
メールリレーを用いてSalesforceから送信するメールが全て任意のSMTPサーバーを経由するようにすることで、メールの承認機能(=誤送信機能)を組み込むという方針です。
図示化すると以下の通り。
Salesforceからメール送信しない運用に統一する
Einstein活動キャプチャ設定済みのGmailにActive Gate SSとかを咬ませてメール送信する運用にすれば全ての問題が解決するよねという方針です。
Pardotリストメールのドラフト機能
Pardotの標準機能である「テストリストへの送信」を利用する運用方針です。
業務フローは以下の通り。
- Pardot担当者が、テスト用のセグメンテーションリストに対してテストメールを送信する(※このタイミングでリストメール送信のプロセスを終了すると、リストメールは自動でドラフト状態に切り替わる)
- 受信者(=承認者)が、テストメールの文面で問題ないことをPardot担当者に連絡する
- Pardot担当者が、①のドラフト状態のリストメールを開き、送信アクションを実行する
サードパーティーの承認用アプリケーション経由(Pardot API利用)
Pardot APIを利用して、Pardotから送信される全てのメールがサードパーティーの承認用アプリケーションを経由するようにするという実装方針です。