社員数400人の会社がChatwork解約して全社員Chatterに移行しようとしたら色々無理だった話

By | August 30, 2020
https://twitter.com/Regardie_/status/1294173452899774465?s=20

概要

二週間前に↑のツイートをしましたが、ネタではなく、実話です。

そこから、全社員400人のChatter運用に向けて、Chatter試験運用を段階的に行うことになりました。

背景

そもそもなぜChatworkから(機能的に劣る)Chatterに全面移行する話が出てきたのか。

それは(コスト的な理由から)Chatworkではなく、Lineなどのメッセージアプリを利用して書類のやり取りまで行ってしまっているアウトな部署がこれまで存在し、内部統制強化に伴い、それを見直す必要が生じたからです。

ではそこから更にChatwork・Slackの全社員導入ではなく、Chatterという流れになったのはなぜか。

その理由は以下のツイートの通り。つまるところ、Salesforceへの愛♡

試験運用までの流れ

  1. Chatter運用に関する機能要件および非機能要件の策定
  2. Salesforce内の全プロファイルのChatter関連権限およびグループタブ表示設定の見直し
  3. Salesforceモバイルアプリケーションの下部に「グループ」タブが配置されるよう設定
  4. 「リストに記載しない」種別で試験運用のためのChatterグループを新規作成
  5. 上記Chatterグループへのメンバ追加
  6. 試験運用に関するアナウンスメント
  7. 試験運用開始

実装については特に詰まることもなく、サクサク進みました。

誤って一般社員に幹部間のChat内容が見えてしまっては問題なので、権限周りやグループへのメンバ追加は結構気を使いました。

設定時の検証事項などはこの記事にまとめてあるので、気になる方はよかったらチェックしてみてください。

試験運用開始時に多かった問合せ

圧倒的に多かったのが「プッシュ通知がこない」という問合せでした。

自分のスマホでテストした際は特に問題なく通知がきていたので、十分に検証しないまま試験運用をスタートしてしまったのですが、どうもSalesfroceモバイルアプリケーションの通知設定は(何も設定いじってなくても)人によってバラバラな様子でした。

下記四つに関する案内もしっかり行っておくべきだったと思います。

  • ios端末でSalesforceモバイルアプリケーションに通知を許可する設定
  • android端末でSalesforceモバイルアプリケーションに通知を許可する設定
  • ios版Salesforceモバイルアプリケーションで通知を許可する設定
  • android版Salesforceモバイルアプリケーションで通知を許可する設定

試験運用の結果

「音声通話がないのは不便だけど、意外と慣れて運用できちゃうのでは?」と期待してましたが、残念ながら色々とNGでした(´・ω・`)ノ

困ったポイントは主に↓の通り

困った度内容
致命的グループ単位で未読がどれだけ残っているか確認できない
音声通話(ビデオ通話)ができない
一般メンバがグループ内の全員宛メンションを飛ばせない(=「お知らせ」を発信できるのは「マネージャ」ロールのユーザのみ)
マイチャットがない
グループをまたいで投稿内容を検索することができない
ユーザのオンライン状況が分からない

音声通話ができないことやマイチャットが使えないことなどは事前に覚悟していましたが、「グループ単位で未読がどれだけ残っているか確認できない」という仕様は社内コミュニケーションツールとして致命的でした。

当然のことながら全てのChatter投稿に自分宛のメンションが付いているわけではありません。

各チャンネル(グループ)に新しい投稿がなされているかどうか各人が定期巡回する以外に確認手段がないというのは運用として現実的ではありませんでした。

その他に困ったことは上述の通りです。

「困った度」高や中の問題も、致命的ではないものの、長期的な運用を行うにあたってはなかなか厳しいものばかりであるように感じました。

コメント

Chatterは素晴らしい機能ですが、流石にSlackやChatworkの代用とはなり得ないことが今回の検証で分かりました☘

どなたかのご参考になれば幸いです!