スタートアップLP作成記(※一度失敗した経験をもとに)

By | June 11, 2021

初めてLPを作成したときの失敗談

新卒配属三ヶ月目頃、「新事業のLPをさくっと作ってみてほしい」という上司の指示のもと、自社の新事業のLPを作成しました。

当該の新事業はマーケ不要でも成立する性質のものであったため、LP作成の目的は専ら「当時新卒社員であった私の育成」にあったわけですが、結果的にリリース後運用されずに放置されてしまい、(育成という観点では成功だった一方で)マーケティング施策としては失敗に終わってしまいました。

記事の初めにまず、当時の私のどこに問題があったのかを振り返ってみたいと思います。

※当時私が作成したLP↓

問題①:LP制作の目的(=LP制作が既存の課題をどのように解決するのか)に関する解像度が低かった

当時の私は、LP制作の目的を以下の二つだと認識していました。

  1. 検索や自社サイトなどを経由したデジタルの顧客獲得チャネルを増やすことで、集客を増やす
  2. 新事業に関する情報がネット上に全くない状態を解消する

そして、上記の目的はLP制作によって自然と達成されるものだと漠然と考えていました。

しかし結果的に、LPを作成しても集客は一切できず、Webからの流入は殆どありませんでした。

問題の原因は、LPの品質やSEO対策といったテクニカルな部分ではなく、そもそもの「課題と解決策」に対する理解が不十分であったことでした。

というのも、LPという集客チャネルを有効に機能させるためには、単にLPを制作するだけでは無意味で、下記の二つが不可欠ですが、一つとしてできていなかったからです。

  1. (LPへの流入を生み出すための)広告運用
  2. ユーザ仮説に基づくコンテンツ設定

問題②:LP制作そのものが目的化していた

問題①と関連しますが、LPを制作すること自体が目的化し、LPが解決すべき課題への意識が低かったです。

LP制作の目的がリード獲得にある限り、最終目標は許容CPA範囲内でのCTRとCRの向上に設定されなくてはなりません。

その上でLPにおいては、CVR向上のために「ユーザ仮説を立てた上で、その仮説に基づいたコンテンツを作成すること」が必要とされます。

にもかかわらず当時の私はそうしたことを一切理解せず、ただLPを制作することだけに終始していました。

問題③:運用体制が決まっていなかった

下記に関する取り決めが事前にできていませんでした。

  • CTRに誰が責任を持つのか
  • CRに誰が責任を持つのか
  • CPAに誰が責任を持つのか
  • CV後の顧客に誰がいつどのようにアプローチするのか

結果、リリース翌日から全員から放置されるという事態が発生してしまいました。

失敗の反省を踏まえたLP制作のプロセス

上記反省を踏まえた結果、下記のような手順でLP制作を行うべきだという結論に至りました。

  1. デザインに関する事前準備
    1. LPの手本となるサイトを事前に幾つかpickupしておく
  2. コンテンツに関する事前準備
    1. ペルソナ(ユーザ仮説)を考える
    2. ペルソナのニーズを刺せるコンテンツを考える
  3. 体制に関する事前準備
    1. 広告や検索などの最初の流入導線からCV後の自社アクションを含めて、全体のフローを設計する
    2. LP用のカスタムドメインを取得する
  4. ワイヤーフレーム作成
    1. ワイヤーフレームを作成する
    2. ワイヤーフレームのReview→改善を繰り返す
  5. 制作
    1. どのようなツールを用いて制作するか決める
    2. LPを制作する
    3. KPI取得の必要なタグの埋め込み
  6. リリース
    1. リリース
    2. CRの計測
  7. LP改修
    1. CRが低い場合、広告のCTRやCRを基にニーズに関するユーザ仮説を再構築し、それに応じたLPへと作り変える。

LP制作に役立つリンク集(手順別)

■デザインに関する事前準備(必見のサイト)

Parts:国内の様々なLPが部位別にまとめられている。

SAIRU:LPのプロノウハウを惜しみなく公開してくれている。

Canva:LPに差し込む画像やイラストのおすすめ作成ソフト

■デザインに関する事前準備(非StudioのLP例)

SmartHR

SanSan

Backlog

CloudSign

Miitel

Karte

Interseller(※かわいい枠)

■デザインに関する事前準備(StudioのLP例)

Mikan

Xenobrain

TrustHub

CloudFit

FastLabel

■コンテンツに関する事前準備

ここは何かを参考にするというよりも自分でめっちゃ考えるのが重要

■体制に関する事前準備

BtoBマーケティングのメソッド by SAIRU:参考になる資料が色々ある

お名前ドットコム:後で足を引っ張らないようにカスタムドメインは早めにしておくのが吉

■ワイヤーフレーム作成

Figma:ワイヤーフレーム作成ツール

Webサイト改善に役立つチェックリストとワイヤーフレーム by SAIRU:SAIRUさんが一般公開してくれているワイヤーフレームベースで大枠考えるのもあり

■制作

Start Bootstrap:Bootstrapテンプレ集

40+ Clean & Minimal Landing Page Templates (Free & Pro):なんか色々テンプレ集

Studio:これがデファクトスタンダードだと思います。Wixとかペライチは検討しなくていいです。

Webflow:海外版Studio

今回作成したワイヤーフレーム

SAIRUさん提供のワイヤーフレームテンプレートを利用してさくさくと編集

実際に完成したLP

上記ワイヤーフレームをもとにStudioで実際に作成したLPがこちら

制作期間は3日で、画像やイラストは全てCanvaで作成しました。

とはいえ、まだまだ課題は山積みであり、今後も改修を重ねていく予定です。

  • 残る課題1:資料請求導線がない(準顕在層未満をプロスペクトとして取得できない)
  • 残る課題2:画面上部で顧客ニーズを刺している箇所がない(CRの大幅低下)
  • 残る課題3:価格や他社製品比較などの導線がない(そのため、そこを課題としている顧客のCRが大幅に低下する)