ケースキューとケースチームの違い

By | July 1, 2020

ケースキュー

担当者未確定のケースを一時的に特定のユーザグループで引き受けるための機能。

一度キューに割り当てられたケースをユーザが引き受けることで、担当者が確定する。

例えば、 納期に関する問い合わせを生産管理チームの”誰か”が回答するというオペレーションを実現したい場合、種別項目の値が”納期問合せ”のケースを割り当てルールによって「生産管理チーム」というキューに割り当たるようにしておくと、その生産管理チームの誰かが自分自身をケース所有者に変更することで問合せを引き受けるという流れを実現できる。

ケースチーム

単一のケースにチーム(複数のユーザ)で対応できるようにするための機能。

特定の属性を有したケースを特定のチームに自動で割り当てたい場合、ケースの「割り当てルール」を用いて特定の「ケースチーム」にケースが割り当てられるように設定する。

例えば、 納期大幅遅延に関する問い合わせを生産管理”チーム全員”で引き受けるというオペレーションを実現したい場合、種別項目の値が”納期大幅遅延”のケースを割り当てルールによって「生産管理チーム」というケースチームに関連付けるようにしておくと、該当のケースチームのメンバーがケースを参照・操作することができる。

ケースキューとケースチームの使い分け

ケースキューもケースチームも、事前にケースの属性ごとにユーザのグループを作成しておき、ケースの割り当てルールを用いてそのグループに対して割り当てるという点では共通している。

例えば、ケースのTypeが”納期問合せ”の場合に、生産管理チームに対してケースを割り当てたいならば、以下のようなケースの割り当てルールを作成することになる。

  • キューの場合:「Case.Type = 納期問合せ」→「生産管理キュー」をケース所有者として割り当て
  • ケースチームの場合:「Case.Type = 納期問合せ」→「生産管理チームのTopのユーザ」をケース所有者として割り当てた上で、「生産管理ケースチーム」をケースに関連づけ

ケースが作成され、割り当てルールが機能した時点で、特定のケース属性に対応するグループに所属するユーザ全員が該当のケースへのアクセス権を持つという点で、ケースキューとケースチームの機能は近しい(※厳密に言うと、ケースチームの場合はケース所有者ではないケースチームメンバーにケースへの編集権限を与えないような制御が可能であるため同じではないのだが、ケースの初期割り当て時点でのこの機能的差異が両機能の選定に影響を与えることは事実上ないといってよい)

しかしながら、この後のプロセスにおいて、ケースキューとケースチームの差異が表出する。

ケースキューの場合、キューの特定のメンバーがそのケースを引き受けると(=ケースの所有者になると)、その他のメンバーはケースへのアクセス権を喪失する(※勿論、キューとは別の方法でアクセス権を付与している場合は別であるが、少なくともキューをベースとしたアクセス権制御の文脈ではアクセス権を喪失する)。

このことからも明らかなように、ケースキューによる複数メンバーでのケースの引き受けというのはあくまで一時的なもので、最終的には誰か特定の個人がケースの担当者となる(そして、それによってその他のメンバーはケースへのアクセス権、少なくとも編集権を喪失する)ことが想定されている。

一方、ケースチームの場合は、そのように特定のメンバーが所有者になることで、残りのメンバーがアクセス権を喪失する(≒ケースとの関連性をデータ上で喪失する)ようなことはなく、単一のケースに対して複数のユーザが同時にアプローチすることが可能となっている。

つまりごく端的に言って、ケースキューはケースを特定個人に割り当てる前に部署・チームに対して一時的に割り当てるために利用する機能で、一方ケースチームは単一のケースに対して複数人で同時に取り組みたい場合に利用する機能というわけである。

商談チーム

商談を共有する単位。ケースチームの商談ver.ではないことに注意。

例えば、商談レコードの所有者が「私」である場合、デフォルトで「デフォルトの商談チーム」の全員に私のレコードへのアクセス権が付与される。

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